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大戦時、厳冬のヨーロッパ戦線において、従来にない優れた保温力と機能性をあわせ持つ冬期戦闘服の必要性に迫られた米陸軍は1941年2月、襟・裾・袖口にニットを配した正式名 : JACKET, COMBAT, WINTERを開発採用した。ARMORED TROOPS(機甲部隊)に多く支給された事から一般に“タンカージャケット”と呼ばれるこのジャケットが広く世に知られるようになったのには、映画“TAXI DRIVER”/'76年作品でロバート・デ・ニーロが着用した影響が大であろう。首元まで閉じることの出来るファスナー仕様、ウールのラシャ織ライニング、防水処理された厚手ツィル地、等から構成されたその高い保温性、又ルーズに設計されたアームホール、バックプリーツを持つパターン設計が与える優れた運動性は地上部隊の兵士達のみならず、多くのパイロット達にも好まれフライトジャケットとして用いられた事は知られる所である。その一片の無駄も無いシンプルなデザイン、防寒ジャケットに求められる高い保温性、優れた機能性をあわせ持つ“タンカージャケット”の魅力は採用され60年が経過した現在においても些かも変わることが無い。 |