What's flying shoes in AAF?

↑P-61の機首にまたがりポーズを取る427th NFSのパイロットとR/O、2人のサービスシューズは底の厚さ、形状からM-43である事がわかる。
- 1943年撮影 -

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1942年7月に撮影された第11ファイタースコードロンのパイロット達。前列左のパイロットが履くサービスシューズはトゥキャップがある事、形状から、あきらかにM-42である。

　WWII 時、パイロット・クルーはどの種の SHOES， BOOTS を着用し飛んだのであろうか？
以下は、　AAF物コレタターのバイブルとでもいうべき 『COMBAT FLYING CLOTHING』 からの引用である。

『FLYER(パイロット、クルー)はまず、“GI ハイトップ・レザーシューズ”を、厚手のウ一ルソックスを着用した上にはき、次に Q-1 エレクトリックシューインサートを着用し、最教に A-6 か A-6A オーバーシューズを着用する。この着用方法が最も厳しい飛行条件の中にあっても、搭乗者を飛行中の寒気から守り、そして敵地での不時着時には、着用した GI ハイトップ・レザーシューズが、搭乗員の安全を守る役に立つ事になる』

- COMBAT FYING CLOTHING (C. G. SWEETING著) 106p -

　ここで述べられている“GI ハイトップ・レザーシューズ”とは、いうまでもなく、『TYPE II』 ＆ 『TYPE III』のARMY サービスシューズを指すことは云うまでも無い。AAFはパイロット、クルーの衣服、装備開発、使用のマニュアル制作にあたり、暖房設備の無かった機内において搭乗員を寒気から守ることと共に敵地での不時着に際しパイロット、クルーの脱出にいかに心を配っていたかが覗える。ここに映画“大脱走”における『S．マックィーン』の “TYPE III ラフアウトサービスシューズ”での活躍が史実として裏付けられるのである。

　補足として、AAFにおいて1944年11月採用されたTYPE E－1、E－2 FLYING SHOES（ライトゾーン用）の存在を紹介しておく。このエスケープシューズとも呼ばれるこれらのTYPE、特にE－1はその仕様、ラスト（靴木型）設計、底をラバーフルソールでカバーされている事等々、全て今回、MASH復刻のラフアウトサービスシューズTYPE IIIとほぼ同型であり（E－2はE－1の靴底ラバーのない物）、そのすでに存在する物と同タイプの物を、開発するという理由がいささか不明だが、多分に当時のARMYとその内なる組織AAFとの間の補給に関するなんらかの問題がほぼ同型SHOESの開発につながったのではないかと想像する。結果としてこの両タイプ共に制式発注、支給はされず少量のテスト用のみの製作に終った。
WWII時、航空機にとって日々進化の時代であり、進化をを追いかけるように飛行服、装備が研究、開発された時代でもあった。搭乗員達はモニターである事をよぎなくされ、そのテスト結果により試作品は改良され、修正され、SPEC．化される日々の中で多くのパイロット、クルーがFLYING SHOSEとして、そして自らの身をまもるエスケープシューズとしてTYPEII、TYPE III を選び、空に飛びたったのである。

	SHOES, FLYING WINTER, TYPE A6-A 底をゴムでカバーされたシープシアリングのA6-AはA-6に上下2つの革ストラップを取り付けられた改良版で、A-6、A6-A共にWWII時のHEAVY ZONEを飛行するパイロット、クルー達にとっては必需品である事は多くの写真が物語る通りである。ちなみに映画“THE WAR LOVE”でマックィーンが使用していたのはA-6Aであった。
	SHOE-INSERT, FLYING. ELECTRIC, TYPE Q-1 1944年10月採用のこの電熱式のTYPE Q-1インサートはA-6、A-6Aと共に多く使用された。内側に見える2個のドットボタンがソケットの役目をする。
	SHOES, FLYING, LLIGHT COMBAT, TYPE E-2 別名エスケープシューズとも呼ばれるTYPE E-2は1944年11月採用されたが、実際の支給には至らなかった。その形状は実にM-43に酷似しており、特に底の形に注意していただきたい、この底型はMCやNAVYのそれではなく紛れもなくM-43同様ARMY独特の形状であり、ラスト（木型）もARMYサービスシューズの物を使用された事がわかる、違いはCOMPOSITION SOLE & HEEL と呼ばれるラバーソール、ラバーヒールがE-2にはつかず、レザーソール、レザーヒールである点のみである。ちなみにTYPE E-1はM-43同様COMPOSITION SOLE, HEELであった。