ARMYにおける『SERVICE』という語の意味するところは広義には軍、軍務を指し、SERVICE SHOESという名称の場合のSERVICEの主なる意味は、COMBAT(戦闘)である。それは軍務の第一目的が戦闘行為にあることを考えれば当然の事であろう。 そして軍務の第一目的である戦闘の中でも基本である徒歩での地上戦に適した“靴”の開発を第一義とし、その主力戦闘靴にSERVICE SHOESの名称を与えた事を考えれば、即ち、SERVICEの語を正式名称に持つSHOES、BOOTSが常にARMYにおける主力の戦闘靴であるといえる。ここで紹介した靴達はその正式名称にSERVICEの語を持つARMY SERVICE SHOESの中でも主流の代表的な物であり、そして、それぞれのタイプがいくつかのバリエーションを持ち、例えばTYPE Iのトゥキャップのない物、又、その底にHOB NAIL(スパイク用の釘)が打たれたものがあり、又、ARMYは多岐にわたる特殊な任務、作戦場所の諸条件に適するべき多くの目的別のフットウェアを開発、支給した。例としては空挺用のパラシュートジャンパーブーツであり、そして、熱帯用のジャングルブーツであり、そしてこれらの物達の名称にSERVICEの語は付かず、かわりに目的、作戦地、形状等を含む名称が与えられた。また、空にあってもAAFは各種のフライングシューズを開発支給した。只、その殆ど全てが防寒目的のオーバーシューズ的な物であり、実際にパイロットはどの種のブーツ、シューズを機乗に際し、用いたかは、“What's Flying Shoes in AAF ?” ページをご覧頂くとし、ここではARMYにおけるSERVICE SHOESの流れをご理解いただければと考えます。
ヘルメットバッグ/1st Model ヘルメットバッグ/1st Model
ヘルメットバッグ/1st Model
1913年頃採用のWWIサービスシューズ、通称“ラセットマーチングシューズ” アッパーのパターン、白のコットンの内張があった点等に若干の差異はあるが、基本的なシルエット、木型デザインはWWIIのTYPE -I、TYPE-IIにほぼ同じであり、US ARMYアンクルブーツの原型と考えられる。
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1915年頃採用、WWI サービスシューズ、MODEL NO. 1324 ラフアウトサイド(裏革使用)アンクルブーツの原型的な物、TYPE III 同様クォーター補強用のリベットを持ち内張を持たない野戦目的のブーツ、ソール、ヒール部分にすべり防止のHOB NAIL(鋲釘)が打たれていた。
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1940年コントラクトのWWIIサービスシューズ、通称TYPE I MASH制作TYPE IIとSPEC.的にはソールの仕様以外は全て同じ物であり、TYPE Iは補強のラバーソールがつかず、野戦には殆ど使用されず、主として、USA国内、一般勤務用として用いられたと考えられる。
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1942年コントラクトの、WWII サービスシューズ、通称 TYPE II と呼ばれる物であり、MASHが復刻したのがこのTYPEである。TYPE I にラバーハーフソールを、製靴時に本革底と共に縫い込み取り付けることで、格段の耐久性を与え、又、このソールのトレッドパターン設計は歩行性を飛躍的に高め、WWIIを通じ野戦、勤務用そして時にパイロットのフライトブーツとして、広く使用された大戦型アンクルブーツである。
採用時はその使用をUSA国内に限定されていたが、参戦と共に、海外、特にヨーロッパ戦線で多く使用された事は知られる所である。
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1943年採用、通称TYPE III と呼ばれる、WWIIラフアウト・サービスシューズ、写真は1943年6月コントラクトの物であり、MASH復刻の原型となったサービスシューズである。プロトタイプはTYPE II 同様にトゥキャップを持つタイプも製造されたようだが、実際の採用にあったては、トゥキャップなしと規定された。
43年コントラクトの物はクォーター両サイドに補強用リベットが打たれ、映画“大脱走”で『S. マックィーン』が使用したタイプであることでも知られる。TYPE II 同様 WWIIを代表するサービスシューズであり、地上にあってはレギンスと共に用いられヨーロッパ、太平洋戦線で広く使用され、又、空にあってもフライトブーツとして多くのパイロット達に愛用された事は数多くの写真に見られる通りである。
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写真は“エクスペリメンタルM-43ブーツ”であり、TYPE III が採用された同時期1943年に北アフリカ、イタリア戦線でこの新型の2つのバックル付きの高さ5インチの革(フレッシュアウト)ゲートルが縫い付けられたブーツがテスト使用された。SPEC.的にはプロトタイプのTYPE III(トゥキャップ付き)に革ゲートルを付けた物であり、同じくトゥキャップを持ち、クォーター補強用リベットが打たれていた。開発目的はレギンス着用の手間を省くためである。
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1944年コントラクトWWIIラフアウトサービスシューズ、いわばTYPE III 後期型であり、違いはクォーター補強用リベットの省略である。1944年、45年コントラクトのタイプで、WWIIを通じ最も多く製造支給されたサービスシューズと考えらる。
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1944年コントラクトBOOTS, SERVICE, COMBAT, COMPOSITION SOLE “エクスペリメンタルM-43フィールドブーツ”のテスト使用後、この正式名称に、COMBATを持つ通称“バックルブーツ”が1943年11月に正式採用され1944年広く支給が開始された。名称が示すように、純粋な野戦ブーツであり、地上部隊全般に支給された。ごく少数であるがパイロットが使用した写真も見ることが出来る。WWII後も何年かは使用され、朝鮮戦争時においても数多く使用された。
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