WWII時における、US ARMY Serial Numbers - 米軍認識番号規定 -

WWII時の規定に沿って、US ARMY Dog Tagを制作するにあたり、少々気になるのが“Army Serial Numbers”と呼ばれる兵士個々に与えられる認識番号であります。もちろん皆さんがご自身のDog Tagを実際に発注される際は電話番号等で代用すべきものではありますが、参考までにWWII時における、US ARMY Serial Numbersの規定と約束事をわかる範囲内で紹介しておきます。

一般兵士	1940年からWWIIを通じ用いられた認識番号型式においては、基本的には将校(5桁〜7桁)、WAC(6桁)以外のすべての一般兵士の軍認識番号は8桁の数字で表され、先頭の1桁(又は2桁)の数字が所属又は兵役分類種(下記参照)、2桁目(又は3桁目)が各々の兵士が入隊した管区(下記参照)を示し、以下の6桁(又は5桁)の数字が兵士個々に振り与えられる番号となります。 ※先頭の1桁が1であればRegular Army(正規軍)、先頭の2桁が20であればNational Guard(州兵)、先頭の1桁が3であればDraftees(召集兵)を示します。

WAC (婦人部隊)

WACは他と違い常に全6桁の数字で表され、先頭の1桁目が入隊した管区(下記参照)を示します。(1940年規定) 1943年からは全てのWAC将校、兵士の認識番号は以下のように区分けされます。 ・将校：L-6桁の数字 ・尉官クラスの将校(Warrant Officers)：V-6桁の数字 ・一般兵士：A-6桁の数字

将 校	将校(Commissioned Officers)の軍認識番号はアルファベットのO(Officerのイニシャル)を先頭にハイフンで繋いだ2桁〜7桁の数字で表されます。 ・例：O-38, O-2735, O-445671 この将校に対して用いられた認識番号型式は1921年から始められ、当初、2桁からスタートした番号も年を追うごとに、除々に桁数が増加し1940年からは23,000をもって新認識番号の再スタートとされました。将校の認識番号が23,000未満であれば1940年迄、23,000以上であれば1940年以降に振り当てられたものといえます。

将 校 (尉官)

1942年からは将校の中でも尉官クラスの将校(Warrant Officers)には上記とは異なる認識番号型式が用いられます。アルファベットのW(Warrantのイニシャル)を先頭にハイフンで繋いだ(ハイフンが無いケースもあり)21でスタートする7桁の数字で表されます。 ・例：W-2156137, W2156137

Flight Officers (飛行将校)

1942年からは上記同様、飛行資格を有するが少尉に任官出来なかった陸軍航空士官学校卒業生に与えられる階級である飛行将校(Flight Officers)には一般将校とは異なる認識番号型式が用いられます。アルファベットのTを先頭にハイフンで繋いだ(ハイフンが無いケースもあり)の数字(正確な桁数不明、4桁位が多い)で表されます。 ・例：T-5226

陸軍専門家部隊

同じく1942年からは、陸軍専門家部隊(Army Specialist Corp)には以下の認識番号型式が用いられます。アルファベットのSを先頭にハイフンで繋いだ(ハイフンが無いケースもあり)の数字(正確な桁数不明)で表されます。 ・例：S-1055362 注) Army Specialist Corp：1942年、大統領令により、科学的、技術的、時には経営的な専門知識、能力を有する人員を民間からリクルートし創設された部隊。任務としては通常の軍人では遂行しえない専門知識を有する案件を処理、解決するためとあります。日本人には英語の語感から若干まぎらわしいですが後の陸軍特殊部隊の前身である(Army Special service Force)陸軍特殊任務部隊とは全く異なる組織です。

Nurse Corps (看護婦部隊)

Army Nurse Corps(陸軍看護婦部隊)所属の看護婦兵士の認識番号はアルファベットのNを先頭にハイフンで繋いだ7でスタートする6桁の数字で表されます(1921年よりの規定)。 ・例：N-743312

その他	陸軍病院勤務栄養士(Hospital Dietitian)の認識番号：R-数字(1942年よりの規定) 契約外科医(Cotract Surgeon)の認識番号：CS-数字(1941年よりの規定)

一般兵士・認識番号・区分詳細 以下、1940年 7月1日よりスタートした米陸軍一般兵士の認識番号規定です。参照下さい。
Regular Army (正規軍)	・先頭の1桁目が1でスタートする全8桁の数字で表し、2桁目の数字(米本土外管区は2+3桁目)は各々の兵士が入隊した管区(下記参照)を示す。 Hawaiian Department(ハワイ管区)：10,100,000 〜 10,199,999 Panama Canal Department(パナマ運河管区)：10,200,000 〜 10,299,999 Philippine Department(フィリピン管区)：10,300,000 〜 10,399,999 Puerto Rican Department(プエルトリコ管区)：10,400,000 〜 10,499,999 1st Corps Area(第1軍団管区)：11,000,000 〜 11,999,999 2nd Corps Area(第2軍団管区)：12,000,000 〜 12,999,999 3rd Corps Area(第3軍団管区)：13,000,000 〜 13,999,999 4th Corps Area(第4軍団管区)：14,000,000 〜 14,999,999 5th Corps Area(第5軍団管区)：15,000,000 〜 15,999,999 6th Corps Area(第6軍団管区)：16,000,000 〜 16,999,999 7th Corps Area(第7軍団管区)：17,000,000 〜 17,999,999 8th Corps Area(第8軍団管区)：18,000,000 〜 18,999,999 9th Corps Area(第9軍団管区)：19,000,000 〜 19,999,999
National Guard (州兵)	・先頭の2桁が20でスタートする全8桁の数字で表し、3桁目の数字(米本土外管区は3+4桁目)は召集され入隊した(又は就任した)管区(下記参照)を示す。 Hawaiian Department(ハワイ管区)：20,010,000 〜 20,019,999 Puerto Rican Department(プエルトリコ管区)：20,020,000 〜 20,029,999 1st Corps Area(第1軍団管区)：20,100,000 〜 20,199,999 2nd Corps Area(第2軍団管区)：20,200,000 〜 20,299,999 3rd Corps Area(第3軍団管区)：20,300,000 〜 20,399,999 4th Corps Area(第4軍団管区)：20,400,000 〜 20,499,999 5th Corps Area(第5軍団管区)：20,500,000 〜 20,599,999 6th Corps Area(第6軍団管区)：20,600,000 〜 20,699,999 7th Corps Area(第7軍団管区)：20,700,000 〜 20,799,999 8th Corps Area(第8軍団管区)：20,800,000 〜 20,899,999 9th Corps Area(第9軍団管区)：20,900,000 〜 20,999,999
Draftees (召集兵)	・先頭の1桁目が3でスタートする全8桁の数字で表し、2桁目の数字(米本土外管区は2+3桁目)は召集され入隊した管区(下記参照)を示す。 Hawaiian Department(ハワイ管区)：30,100,000 〜 30,199,999 Panama Canal Department(パナマ運河管区)：30,200,000 〜 30,299,999 Philippine Department(フィリピン管区)：30,300,000 〜 30,399,999 Puerto Rican Department(プエルトリコ管区)：30,400,000 〜 30,499,999 1st Corps Area(第1軍団官区)：31,000,000 〜 31,999,999 2nd Corps Area(第2軍団管区)：32,000,000 〜 32,999,999 3rd Corps Area(第3軍団管区)：33,000,000 〜 33,999,999 4th Corps Area(第4軍団管区)：34,000,000 〜 34,999,999 5th Corps Area(第5軍団管区)：35,000,000 〜 35,999,999 6th Corps Area(第6軍団管区)：36,000,000 〜 36,999,999 7th Corps Area(第7軍団管区)：37,000,000 〜 37,999,999 8th Corps Area(第8軍団管区)：38,000,000 〜 38,999,999 9th Corps Area(第9軍団管区)：39,000,000 〜 39,999,999
WAC (陸軍婦人部隊)	・WACは他と違い全6桁の数字で表し、先頭の1桁目が入隊した管区(下記参照)を示す。 1st Service Command(第1軍団管区)：100,000 〜 199,999 2nd Service Command(第2軍団管区)：200,000 〜 299,999 3rd Service Command(第3軍団管区)：300,000 〜 399,999 4th Service Command(第4軍団管区)：400,000 〜 499,999 5th Service Command(第5軍団管区)：500,000 〜 599,999 6th Service Command(第6軍団管区)：600,000 〜 699,999 7th Service Command(第7軍団管区)：700,000 〜 799,999 8th Service Command(第8軍団管区)：800,000 〜 899,999 9th Service Command(第9軍団管区)：900,000 〜 999,999

Corps Area 及び Service Commandに関し
・共に意味的には全く同じです。米陸軍はアメリカ本土を9の区域に分割し1st 〜 9th Corps Area(管轄区)としました。当初はその管轄区の名称をCorps Areaとしましたが、その後、Service Command、Army Areaへと変更していきました。ここでは軍団管区と訳しましたが、旧日本軍的にいうと連隊のほうが近いかもしれません。以下、それぞれの管轄区域の州名を略名で紹介しておきます。
1st Corps Area	ME, VT, NH, MA, CT, RI
2nd Corps Area	NY, NJ, DE
3rd Corps Area	PA, MD, VA, DC
4th Corps Area	NC, SC, GA, FL, AL, MS, TN
5th Corps Area	OH, IN, KY, WV
6th Corps Area	IL, MI, WI
7th Corps Area	MO, KS, NB, CO, IA, MN, ND, SD, WY
8th Corps Area	AR, LA, TX, OK, NM
9th Corps Area	WA, OR, CA, ID, MT, NV, UT, AK

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