US Dog Tag ・ASN & SSAN表記に関し

米陸軍は1967年後半、近い将来、認識票に表記する認識番号を1913年(米陸軍が認識票の着用様式を規定した年)より継続使用してきたArmy Serial Numbers(以下、ASNと省略)からSocial Security Account Numbers(以下、SSANと省略)へ変更する事を決定し関係各局に通知し、1969年6月30日にその認識番号表記の変更作業を完了しました。
その変更理由として考えられるのはASNが先頭の番号又はイニシャルで将兵の出身地や役職をある程度判別できるように配慮された、いわばカテゴリィ表記を含めた品番型式であったため、当然、年を経過する毎に生じた桁数不足問題、加え除々に複雑化していったカテゴリィ区分を含めたASNの一元管理の煩雑さ等が上げられます。60年代、未だ現在ほどコンピューターの普及を見ない当時としてASNの一元管理は大いに煩雑な作業であったと容易に想像がつきます。結果として米陸軍は認識番号の管理という煩雑な業務をSSANを代用使用する事で解決したと想像されます。
この移行時期における米陸軍Dog Tag上の認識番号の表記は、下記を参照下さい。

時 期 Tag上の認識番号の種別
1913年〜 1967年末 Army Serial Numbers
1967年末 〜 1969年 6月 29日 ASN、SSANの両番号が併記。
※という事ですが、実際はかなりの割合でASNのみ表記のものが継続使用されていたと考えられます。
1969年 6月 30日 〜 現在 Social Security Account Numbers

Social Security Account Numbers
この語の和訳としては以前より“厚生年金受給番号”という語が使われているようで、私共も今回のDog Tag紹介に際してはこの言葉をSSANの訳語として用いています。
只、実際のSSANの米国での使用のされ方、又、この番号が米国民にとってどのように関与するかは、私共、日本人が“厚生年金受給番号”という言葉から感じる意味合いとは若干の差異があると考えますので、補足説明いたします。参照下さい。
SSANは全てのアメリカ国民が出生届けと同時に与えられる生涯変わらない背番号的なもので、最近日本でも始められた住民票コードが将来はそれに似た役割を担うと考えられます。
米国ではSSANがいわば本人を証明する認証番号のように用いられ、納税時、銀行での口座開設時、パスポート申請時、そして62才、又は65才(本人が選択できる)からは、それまでIncome Tax(所得税)を継続し納めていた人には一定額のSocial Securityの給付が受けられるという、日本でいうと厚生年金に似た制度があり、もちろんその際にもこの一元管理されてきた番号を基に支給されるという事になります。
又、このSSANは米国への滞在許可を与えられた者であるなら、外国人にも申請に応じ与えられ、又、Social Securityの給付に関しても一定期間のIncome Tax(所得税)を支払った者には同じく外国人にも支給されます。
SSANの番号表記型式は8桁か9桁(10桁もあるかもしれません)を3つのグループ分けし表記するようです。ちなみに私の友人のSSANは合計8桁を3桁+2桁+3桁にグループ分けされたものです。




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