米軍のMil. Specs.(軍仕様書)おいて、使用すべき糸色に関しては、1941年採用の“Jacket Combat Winter(タンカー・ジャケット)”では単にOlive Drab(オリーブ・ドラブ)と規定され、その後の“Intermediate Flying Jackets, Type B-15A” (1944年採用) において は、その糸色をOlive Drab No.7、1970年採用“Coats Ammunition Carrying Buoyant & Bladder Flotation(シール コート)”ではOlive Drab S-1と規定されており、時代と共に軍規定のオリーブ・ドラブ色に新たなヴァリエーションが加えられてきた事がわかります。又、ナイロンを主素材に使用した フライト・ジャケット、MA-1(1964年採用、Dタイプ)を例にとれば、表、裏、それぞれに使用する糸は表、裏、それぞれの素材の色調に適合するよう染める事と規定され、意味する所は表地に使用するナイロン糸の色は表地と同色のセージ・グリーンUSAFカラー・シェードNo.1151に染めるという事になります。
但し、このように厳格にカラーNo.を規定し発注した結果においても、製造メーカー毎の特徴、用いられた素材の色調差、いわゆる“ハウス・スタイル”“ハウス・カラー”が多く生まれた事は皆様ご存じのとおりで あります。 ここで紹介する主としてM.O.C.復刻の縫い糸のカラー・ヴァリエーションはそれぞれが使用された時代を代表する色調であり、必ずや皆様の大事なコレクションのリペアに役立つ物達であると信ずる所であります。 尚、2008年よりU.S.A.以外の国の軍衣料に使用されている縫い糸も一部販売を開始しました。併せてのご利用お願いいたします。