1944年開発された『CROWN 2ndモデル』。大戦を通じ使用されたシェブロン型と比較し優美さでは劣るが、曲線を基本としたアール・デコ様式デザインは2ndモデルにおいても継承され、中世の甲冑をイメージさせるグレイ色楔形TEETHのスムースな開閉、曲げに強く上下双方向からの使用が可能な『2ndモデル』は現在流通している何れのジッパーと比較してもいささかの遜色もない。スプリングロック・スライダーが使用されたものは『2ndモデル』の中でもごく初期に製造されたタイプ。実物ビンテージCROWNジッパー(デッドストック)! !

■メーカー：The Spool Cotton Co. or Coats & Clark's Sales Corp.
■ブランド ＆ モデル名：CROWN, M-44 (2ndモデル)
■タイプ：Closed-end Zipper(ファスナー)
日本では『止めファスナー』『パンツ・ファスナー』と呼ばれることが多い、このファスナー(Zipper)は、『オープン・ファスナー』と呼ばれ主として衣類のフロント等に使用されるタイプと異なり左右に分離不能なことから、衣類のポケット、袖口、サイド、鞄類等に多く用いられる。
■製造：1947-50年頃
■Teeth：ダイキャスト(高圧鋳造)でテープに直接、熱着された独特のTeeth設計により曲げに強く、噛み合わせに勝れたCROWN M-44 Teeth。
■Teeth 規格：#5
■Teeth 幅：6mm
■Zip テープ
・幅：14.0mm
・素材：綿100%、綾織り
・色：タン色(後染め)
注）1949-50年にかけ採用、支給されたB-15B, L-2, N-2, N-3の袖ポケに使用された『CROWN Zipper』のテープ色は元来『オリーブ色』であったものが、残存する殆どが『タン色』に経年変色しているため、同時期(1947-50年頃)に製造された『オリーブ色』の実物クラウンジッパーを『タン色』に後染めしたものです。
■ロック型式：スプリングロック
1947-50年の間に製造された物のみに用いられたスプリングロック・スライダー。ボディの形状は若干モデルチェンジされたがロック型式は大戦時と変わり無く、引き手に付けられた爪が組み込まれたスプリングにより『Teeth』の隙間に嵌り、重力によるスライダーの下り、ジッパーの開きを防ぐ型式。引き手は大戦時と同じ栓抜き型の物が使用されている。
■引き手革タブ(後付け)：馬革、シールブラウン色(セミアニリン仕上げ)、ナイロン#20 オリーブ色縫い糸使用。
注）L-2以外の『オリーブ色』シリーズでは、袖ポケ用ジッパー引き手に革タグが付けられたタイプが多いため、別途革タグ付きの制作販売です。
■上留め：単に止めるだけでは無く、機能美を追求したアールデコ調の上留めは『CROWN』独特のスタイル。
■下留め：Teeth-endをカバーし留める型式もこの時代では『CROWN』独特のスタイル。
■Zip length(長さ)：12.5cm (1-2mm程度の差異あり)
■上下テープ端余り長さ：約1インチ(約2.5cm)
■主な用途： 1949-50年にかけ採用、支給されたUSAFフライトジャケット、オリーブ色シリーズ、B-15B, L-2, N-2, N-3,等の袖ポケットジッパー交換修理用......

■コンディション：実物・未使用(後染め)
1947-50年頃製造されたクラウンジッパーのデッドストック(オリーブ色)を『タン色』に後染めしたもの。製造されてから約70年を経過する実物クラウンジッパーにつき、使用に差し支え無い範囲においての金属部分の変色、僅かな錆、テープ部における製造時よりの織りキズ、僅かな染めムラ、等があること、予めのご了承お願いいたします。

◇少量在庫品! !